最近考え始めた、家の話
きっかけは、ぶらりと午後散歩をしてたとき。
いままでほとんど全てが同じに見えていた住宅達が、バラバラになった瞬間であった。
「あの家、何かよくわからないけどワクワクするな」
その家は、最近建てたと思われ、緑系の色で塗られ、木の柄を纏ったお洒落なサイディングの小さな戸建てだった。どこにも無さそうではないけれど、家の中ではそれなりにこだわられたデザインだと思わせるような。
その後ではじめて感じた疑問が湧いてきた。「そういえば、自分にとってのワクワクする家、退屈に感じる家の基準って何によるものなんだろう?」
この疑問を持ったことで、すべての家というものが、ワクワクするのかしないのか、それは何故なのか、というふるいにかけられることになったのである。
それからというものの、2時間住宅街を散歩することが苦どころか、むしろ快楽になったのである。灰色の景色が、カラフルになった。こんな経験をそこそこの年齢になっても感じれるなんて。世界は本当に広いんだな。そう思った4月末。新型コロナが猛威を振り始めていたあの頃だった。